営業ノウハウ・販路開拓

【事例あり】代理店網をゼロから構築し、全国展開を成功させた三つのステップ【体験談込み完全版】

2025/12/25

【事例あり】代理店網をゼロから構築し、全国展開を成功させた三つのステップ【体験談込み完全版】

七年前、私は地方エリア担当の営業からチャネル開発マネージャーに抜擢されました。ミッションは「一年で全国に代理店網を構築し、売上を二倍に」。意気揚々と十社と契約したものの、半年後に残ったのは二社だけ。理由は明確でした。選定の甘さ、育成の遅れ、ガバナンス不在。ここから型を作り直し、三年で二十八社のネットワークを稼働させ、売上は四倍に。この記事では、その過程で学んだ成功と失敗、再現性のある三ステップを全角で徹底解説します。


0.体験談:最初の失敗とそこからの立て直し

初年度、私は「面談で熱量がある」だけでパートナー契約を結びました。結果、商談は立たず、月次報告も形骸化。逆に、一社だけ異彩を放つパートナーがいました。彼らは既存顧客リストを持ち、社内に営業教育の仕組みがあり、初月から三商談を必達すると自らコミット。この差を見て「売れる条件を先に定義する」ことの重要性を痛感しました。


ステップ1:選定—「売れる条件」を先に定義する

理想パートナーの条件表を作る

  • 業界知見(顧客の課題を理解しているか)
  • 既存顧客ベース(ターゲットに近い顧客を保有しているか)
  • リソース(営業人数、マーケリソース、サポート体制)
  • 営業力(提案力、クロージング力、デモ経験)
  • 経営コミット(経営者がリソースを割く意思があるか)

パイロットで検証

三地域で各三社ずつ、計九社を三ヶ月テスト。KPIは「初月三商談」「決裁者同席率五〇%」を設定。達成した条件を標準化し、スコアリングシートに落とし込みました。これにより、条件に満たないパートナーとの契約を減らし、無駄なオンボーディングを防げました。

契約形態と経済条件のテンプレ化

手数料率、最低販売量、排他有無、MDF(マーケ協賛費)のルールを事前にテンプレ化。交渉のブレを無くし、「この条件を守れるパートナーだけと組む」というメッセージを明確にしました。


ステップ2:育成—三ヶ月で走れるようにオンボーディング

ローンチパッケージ

初期に渡すセットを固定化しました。営業資料、FAQ、競合比較、デモ動画、価格表、導入ステップ、成功事例、反論切り返しテンプレ。これをクラウドで共有し、更新通知を自動配信。

同行とレビューのリズム

初回同行三回を必須化し、商談録音を週次でレビュー。「決裁者同席率」と「再商談率」をKPIに、提案の型をすり合わせました。録音を共有することで、地域間のベストプラクティスが即座に広がります。

トレーニングと認定

月一で「成功ナレッジ共有会」を開催。クイズやロールプレイを含め、合格したメンバーだけが独り立ちできる認定制度を導入。認定後も四半期に一度テストを行い、品質を維持しました。


ステップ3:ガバナンス—数字と関係性の両輪で管理

QBRとダッシュボード

四半期ごとにQBRを実施し、商談数・受注率・平均単価・決裁者同席率をレビュー。ダッシュボードはパートナーにも共有し、透明性を確保。目標未達の場合は改善プランを一緒に作成します。

共同マーケティング枠

ウェビナー、事例記事、展示会を「予約制枠」として設定。申し込み条件を「直近三ヶ月の商談数〇件以上」とし、頑張るパートナーがメリットを得られる仕組みに。モチベーションと露出が両立しました。

契約更新基準

更新・解約の基準を明文化。「商談数〇件未満が二期連続」「決裁者同席率三〇%未満」の場合は改善計画を提示し、未改善なら入替え。辛い決断ですが、ネットワーク全体の健全性には不可欠でした。


ケーススタディ:地方三社から全国二十八社へ

最初の一年で学んだ型を使い、二年目は「九州パイロット」「関西拡張」「関東標準化」の三段階で展開。九州で得た成功トークと反論切り返しを関西に横展開し、QBRで共有。関東ではスコアリングを厳格にし、採用率三〇%に絞る代わりに育成を厚くしました。三年目には北海道から沖縄まで二十八社が稼働し、月次新規受注は四倍に。パートナーの売上構成比も五〇%を超え、事業の第二の柱になりました。


よくある失敗と回避策

  • 数だけ増やす→選定基準とスコアリングを持つ。
  • 資料を渡して終わり→同行と録音レビューをセットに。
  • 価格競争に巻き込まれる→価値訴求と差別化のトークを標準化。
  • 情報が散在→クラウドで一元管理し、更新通知を自動化。
  • 解約を先送り→更新基準を契約時に説明し、感情ではなく数字で判断。

チェックリスト(契約前)

  • 理想パートナー条件をスコアリングしたか。
  • 初月ミニゴール(三商談など)を合意したか。
  • 契約条件(手数料、最低販売量、排他、MDF)をテンプレで提示したか。
  • QBRと週次レビューの参加を約束できたか。
  • 録音共有やダッシュボード閲覧への同意を得たか。

チェックリスト(オンボーディング)

  • ローンチパッケージを渡し、使い方をデモしたか。
  • 初回同行三回の予定を決めたか。
  • 決裁者同席率と再商談率の目標を握ったか。
  • 共有会や認定制度の案内をしたか。
  • 共同マーケ枠の条件を説明したか。

未来の拡張:データドリブンなチャネル運営

今後は、インテントデータやウェブ行動ログを活用し、どの地域でどの業界が熱いかをリアルタイムでパートナーに共有する仕組みを構想中です。また、生成系AIで提案資料をローカライズし、パートナーが即使える形にする実験も進めています。データとAIを掛け合わせれば、選定・育成・ガバナンスの精度はさらに上がります。


追加体験談:トラブルからの立て直し

二年目、北海道のパートナーが大型案件で納期遅延を起こし、契約終了の危機に。私はすぐ現地に飛び、顧客同席の三者ミーティングを設定。謝罪と並行して「遅延の原因」「是正策」「再発防止」を一枚で提示し、当社CSを直接アサイン。併せて、他のパートナーにも同様のリスクがないか棚卸ししました。この経験で、トラブル時こそ伴走速度と透明性が命と刻みました。

パートナー候補リストの作り方

私は候補リストを「既存リード」「業界イベント」「紹介」の三経路で作成しました。

  • 既存リード:過去商談で地域拡大を希望していた企業を抽出。営業日報を検索し、声がけ。
  • 業界イベント:地方展示会や勉強会の登壇企業を洗い出し、興味関心と顧客層をチェック。
  • 紹介:既存パートナーと顧客に「信頼できる会社は?」と尋ね、紹介インセンティブを設定。

リスト化後はスコアリングシートで足切りし、十社に一社の割合で面談に進めました。

共同営業プレイブック(役割分担の例)

同行や共同提案では役割が曖昧になると顧客の信頼を失います。プレイブックは以下で統一しました。

  • パートナー:リード獲得、顧客課題の一次ヒアリング、当社導入事例紹介。
  • 当社:プロダクトデモ、技術・セキュリティ説明、価格と契約条件提示。
  • 両者:決裁者アポイント設定、フォローアップメール送信、QBR準備。

この分担を事前に共有し、商談前日に十五分のすり合わせを必須化。顧客から「役割がクリアで安心」と言われ、成約率が上がりました。

パートナーマーケの年間カレンダー例

全国展開では露出の設計が重要です。私は年間で以下のリズムを組みました。

  • 〇〜三月:年度予算取りのための事例記事を集中配信。共同ウェビナーを月二本。
  • 四〜六月:大型展示会で共同出展。リード共有のルールを再確認。
  • 七〜九月:地域勉強会を巡回開催し、決裁者との面談機会を増やす。
  • 十〜十二月:導入報告会と感謝イベントを実施し、更新とクロスセルを仕掛ける。

カレンダーを共有すると、パートナーのリソース計画が立てやすくなり、参加率が安定しました。

三〇日アクションプラン(全角)

これからチャネルを立ち上げる方向けに、私が実践した三〇日プランを共有します。

  • 一週目:理想パートナー条件のドラフトを作成し、社内合意を取る。
  • 二週目:候補リストを三十社作り、スコアリングで一〇社に絞り、面談を設定。
  • 三週目:ローンチパッケージの初版を整備し、初回同行三回の枠を確保。
  • 四週目:ダッシュボードとQBR雛形を作り、契約条項テンプレを最終化。

三〇日で「条件・リスト・育成セット・ガバナンス」を最低限揃えれば、翌月から走り出せます。

契約交渉で大切にした三点

交渉の場で私が意識したのは、
①「双方の成功指標」を先に握る、
②「できないこと」を早めに伝える、
③「初月の共同目標」を具体化する、
の三点です。特にMDFの上限や排他条件は曖昧にしないこと。ある交渉では、排他を求められた際に「〇業界のみ六ヶ月限定で設定」案を提示し、代わりに初月三商談のコミットをもらいました。譲るラインと譲れないラインを紙に書き出すことで、感情に流されず合意形成が進みます。

パートナーサクセスマネージャーの週次ルーチン

専任担当を置いてから、ネットワークの健全性が格段に上がりました。彼らの週次ルーチンは以下です。

  • 月曜:先週の商談ログと録音を確認し、気づきを三行で共有。
  • 火曜:決裁者同席率が低いパートナーに改善提案を送付。
  • 水曜:共同マーケ枠の空き状況を配信。
  • 木曜:翌週の同行スケジュールを確定。
  • 金曜:QBR資料の草案を更新し、経営に共有。

リズムを決めることで、パートナーが迷わず動ける環境が整いました。

よくある質問(FAQ)

  • Q:地方で適切なパートナーが見つかりません。
    A:業界団体や商工会の勉強会に参加し、実績より「顧客との距離」を重視して探します。
  • Q:手数料率の競争に巻き込まれます。
    A:共同マーケやリード供給など非金銭的メリットを提示し、率ではなく総利益を語ります。
  • Q:品質がばらつきます。
    A:認定制度と定期テストで最低ラインを担保し、録音レビューで言葉遣いをそろえます。
  • Q:解約が言い出しにくいです。
    A:契約時に更新条件を明文化し、未達時のプロセスを握っておけば感情的になりません。

ダッシュボード指標と運用ルール

チャネル運営を数字で語るため、ダッシュボードは毎週更新しました。表示した指標は「商談数」「決裁者同席率」「再商談率」「平均単価」「録音提出率」「共同マーケ参加回数」。色分けでリスクを可視化し、赤のパートナーには翌週同行を提案。緑のパートナーには事例取材やウェビナー枠を優先提供。数字とアクションを紐づけることで、会議が「振り返り」から「改善の場」に変わりました。

前夜のルーチンで当日を滑らかに

出張前夜、私は十五分のルーチンを必ず実施しました。①翌日の訪問ルートを地図アプリで確認し、移動時間に余白を入れる。②同行者との役割分担をチャットで再確認。③商談で使うデモ環境を一度起動し、ログイン・ネットワークを確認。④フォローアップメールの素案を下書き。⑤パートナーとの雑談ネタを一つメモ。これだけで当日の緊張が和らぎ、商談に集中できました。

追加体験談:ペナルティ条項が信頼を守った夜

あるパートナーが納期遅延で顧客に迷惑をかけた際、私は契約書に入れていた「是正措置と返金条件」の条項に救われました。感情論になりかけた会議で、「契約通りに進めます」と冷静に進行でき、パートナーも「ルールがあるからこそ守れる」と納得。後日、そのパートナーの経営者から「厳しいけれど一緒に走りたい」と言われ、関係性が逆に強化されました。ガバナンスは信頼を守るための仕組みであると体感した出来事です。

インセンティブ設計:短期と長期を分ける

  • 短期:初月・二ヶ月目のアクティベーションインセンティブ(初回三商談達成で追加%)。
  • 中期:四半期ごとの達成ボーナス(受注件数、決裁者同席率で加点)。
  • 長期:更新率・解約率を指標に、年間で上振れボーナス。
    短期で走らせつつ、長期の顧客価値を重視する設計にすると、値引き依存ではなく持続的な売り方が根づきました。

パートナーピラミッドと育成パス

  • ブロンズ:契約直後。ローンチパッケージ配布と同行三回。
  • シルバー:決裁者同席率四〇%、録音提出率八〇%。共同マーケ枠に参加可。
  • ゴールド:受注〇件/四半期、解約率低。事例取材と優先リード供給。
  • プラチナ:年間売上トップ、品質も高い。プロダクト開発の顧問枠へ。
    段階ごとに特典を明確化すると、パートナー自身が「次の階段」を目指して動きます。

90日ロードマップ(拡張版)

  • 一〜三〇日:理想条件の確定、リスト作成、パイロット三社着手。契約テンプレとローンチパッケージ初版を完成。
  • 三一〜六〇日:パイロットの結果をスコアリングに反映し、採用基準をアップデート。同行・録音レビューを週次で習慣化。
  • 六一〜九〇日:QBR初回を実施し、共同マーケ枠を開放。認定制度をローンチ。ダッシュボードを全社共有。
    九〇日で「選定・育成・ガバナンス」の骨格が揃えば、その後の拡張速度が一気に上がります。

スクリプトと資料のローカライズ運用

全国展開では地域ごとに刺さる言葉が違います。私は以下で運用しました。

  • 共有フォルダに「標準版」「業界別」「地域カスタム」の三層を用意。
  • パートナーが加えた修正をトラッキングし、良い改訂は全社版に昇格。
  • 医療・公共向けはコンプラチェックシートを事前に通し、禁止表現を明文化。
    ローカライズを仕組み化することで、無秩序な改変を防ぎつつ刺さる言葉を増やせます。

パートナー離反時のリカバリー手順

  • 兆候検知:録音提出率低下、QBR欠席、商談報告の遅延をアラート化。
  • 介入:一週間以内にエスカレーションミーティングを設定し、課題を三つに絞る。
  • 再契約案:条件緩和ではなく、活動フォーカス(ターゲット絞り)と支援メニュー追加で再合意。
  • 離脱:改善が見込めない場合はスムーズに解約し、顧客を引き継ぐプランを提示。
    離反時の筋道を決めておくと、残るパートナーの信頼も守れます。

コンプライアンス・ブランドガイド

  • 商標・ロゴ利用ガイドを配布し、申請フローを簡素化。
  • 医療広告ガイドラインなど業界規制の要点を一枚にまとめ、誤表現を防止。
  • 録音・顧客データの取り扱いルールを統一し、情報漏洩リスクを下げる。
    ブランドを守るルールを先に渡すことで、安心して営業活動を任せられます。

ダッシュボード詳細項目(例)

  • フロー:新規リード数、商談数、決裁者同席率、再商談率。
  • 成果:受注件数、平均単価、解約率、アップセル率。
  • 活動品質:録音提出率、資料更新遵守率、認定テスト合格率。
  • マーケ連携:共同ウェビナー参加回数、記事閲覧率、リード共有速度。
    指標を可視化し、赤信号に対して「同行・トレーニング・マーケ支援」を即打つ運用にしました。

エリア拡大のためのリソース計画

  • 年間で「採用できるパートナー数」「育成に割ける同行枠」「共同マーケ枠」を数値で定義。
  • 四半期ごとに「採用→育成→安定稼働」のファネルを見直し、パンクを防ぐ。
  • 既存パートナーの強化に何割、新規採用に何割リソースを振るかを明文化。
    計画があるだけで、場当たり的な拡大を防げます。

私の体験談:最終面談で決め手になった一言

関西の老舗パートナー候補との最終面談で、私は「御社の顧客が来年も我々を選び続ける理由を一緒に作りたい」と伝えました。相手は「手数料より、信頼を積み上げる話ができたのは初めて」と即答で契約。後日、そのパートナーは「決め手は数字ではなく、伴走の姿勢だった」と言いました。伴走の姿勢を言葉で伝えることが、採用でも育成でも効くと確信した瞬間です。

契約条項サンプル(抜粋)

  • 成果指標:商談数、決裁者同席率、録音提出率の三つを必須KPIとする。
  • レポート:週次で活動報告、月次で受注見込み、QBRで四半期レビュー。
  • 知的財産:改訂した資料・スクリプトの権利は共同帰属、利用範囲を明記。
  • 解約条件:未達が二期連続の場合、改善計画→三〇日後レビュー→解約のプロセス。
    契約に「数と質」と「運用」を書き込むと、後のトラブルを避けられます。

チーム運営のリアル:疲弊を防ぐ工夫

全国展開は移動も多く疲れます。私は以下で乗り切りました。

  • 移動日は打ち合わせを入れず、録音レビューと資料更新に充てる。
  • 月一でチームの「成功・失敗ストーリー共有会」を実施し、感情を発散。
  • パートナーサクセス担当とフィールド担当で役割を分け、燃え尽きを防止。
    人が続かなければチャネルも続きません。心身のマネジメントも「仕組み」にしました。

まとめ:代理店網は「選定×育成×ガバナンス」の積み上げ

代理店網は数を増やすゲームではなく、条件を定め、型を共有し、数字と関係性で回す地道な積み上げです。選定で「売れる条件」を握り、育成で「勝ちパターン」を移植し、ガバナンスで「揺るぎない信頼」を作る。体験談でお伝えした通り、失敗は必ず起きますが、仕組みで立て直せます。今日できるのは、理想パートナー条件を一行で書き、三十日プランをカレンダーに入れること。そこから全国展開への一歩が始まります。

付録:共同マーケ施策のスケジュール例

  • 毎月:ウェビナー一回(成功事例×地域課題)、記事一本(パートナー紹介)。
  • 四半期:展示会・勉強会を各エリアで一回ずつ。事前にアポイント枠を設定し、パートナーに優先配分。
  • 半年:導入報告会・感謝イベントを開催し、成功パートナーを表彰。
    施策をカレンダーに落とすと、パートナーのリソース計画と連動し、参加率が向上します。

付録:週次報告テンプレート(全角)

◯週のハイライト
- 新規商談:◯件(決裁者同席◯件)
- 受注:◯件/平均単価◯◯万円
- 録音提出:◯本/提出率◯%
- 共同マーケ:◯件参加、リード◯件獲得

課題と打ち手
- 決裁者同席率が低下(原因:ターゲットずれ)→来週は業界特化のリストに絞る
- 録音提出遅れ→水曜リマインドを設定、提出期限を金曜AMに

サポート依頼
- 技術問い合わせ◯件、回答待ち
- 事例資料アップデート希望:◯業界向け

フォーマットを固定すると、報告が短時間で終わり、改善議論に時間を使えます。

付録:リスク棚卸しリスト

  • 競合:価格攻勢、排他要求、強い既存パートナーの存在
  • 内部:デモ環境不具合、在庫・納期、サポート体制不足
  • 法務・ブランド:誤表現、無断ロゴ利用、個人情報取り扱い
  • 関係性:決裁者不在、経営コミット低下、担当者異動
    月一でリスクを棚卸しし、対策を先に打てば、大きなトラブルを防げます。

付録1.契約条項サンプル(抜粋)

  • 成果指標:月次商談数〇件、決裁者同席率五〇%、受注単価目標〇万円以上。
  • レポート義務:週次で活動ログ(リスト、通話録音、メールテンプレ更新)提出。
  • MDFの使途:展示会・ウェビナー・事例制作に限定し、事前承認制。
  • リスト取り扱い:リストは当社所有とし、契約終了時に返却・削除を義務付け。
  • 更新条件:二期連続で成果指標未達の場合、契約を見直し又は終了できる。
  • 排他条件:特定業界・地域のみ限定的に設定、期限を区切る。

この程度でも、契約前に合意しておくと後々のトラブルが激減します。

付録2.スコアリングシート例

評価軸重み評価基準スコア例
業界知見30主要顧客の課題を言語化できる
既存顧客ベース20ターゲット顧客を五十社以上保有
営業力20クロージング経験者が二名以上
マーケ力15ウェビナー開催・記事制作の実績
経営コミット15月次定例に経営が参加

合計点で足切りを行い、七〇点未満は見送りとするなど、定量化すると判断が早くなります。

付録3.オンボーディングの三十日プラン

  • 一〜七日:ローンチパッケージ配布、初回トレーニング、商談ロールプレイ。
  • 八〜十五日:初回同行二回、録音レビュー、反論切り返しの調整。
  • 十六〜二十二日:共同ウェビナー企画、リード割り振り、決裁者同席率を追跡。
  • 二十三〜三十日:第三回同行、初回QBR準備、改善点をまとめてプラン化。

この短期プランで「走れる状態」を作り、三ヶ月で自立運転に移行します。

付録4.共同マーケメニューの具体例

  • 事例記事:パートナー顧客の成功事例を共同で制作し、双方のサイトで配信。
  • ウェビナー:月一開催枠を設定し、登壇社はKPI達成パートナーを優先。
  • 展示会共同出展:ブース費用を折半し、リードは共有。リードハンドリングのルールを事前に決定。
  • リファラルキャンペーン:既存顧客からの紹介に対し、特典や寄付をセット。
  • 競合比較資料の共同作成:現場の反論を吸い上げ、最新版を月一でアップデート。

付録5.現場で役立ったトークと切り返し

  • 「初月三商談」というミニゴールの伝え方:「まずは三本で御社の勝ち筋を一緒に作りましょう。録音レビューもこちらで支援します」
  • 排他を断るとき:「排他はしていません。競合が入っても勝てる資料とトークを提供するので、むしろ御社の強みが際立ちます」
  • 価格に関する懸念:「手数料率は固定ですが、共同マーケ枠でリードを供給します。実質的にCACを下げる設計です」

付録6.失注パートナーから学んだこと

解約に至ったパートナーに対し、必ずヒアリングをしました。「教育に時間が割けなかった」「商材理解が浅かった」「想定顧客が違った」。これらの声を元に、トレーニング頻度の増加、デモ動画の刷新、ターゲット明文化を進めました。失敗事例を正面から受け止めることで、ネットワーク全体の強度が増します。


付録7.日々の運用チェックリスト(毎週十五分)

  • SFAの商談ステージと決裁者同席率を確認したか。
  • 録音の提出率とレビュー実施率を確認したか。
  • QBR資料に必要な数値を更新したか。
  • 共同マーケ枠の予約状況を共有したか。
  • 更新基準に該当しそうなパートナーに事前連絡をしたか。

この五項目だけで、運用の抜け漏れがほぼ防げます。


付録8.地域展開のタイムライン(実例)

  • 一年目Q1〜Q2:九州パイロット開始、三社採用、初月三商談のミニゴール設定。
  • 一年目Q3:九州で成功したトークと資料をテンプレ化。関西で五社テスト。
  • 一年目Q4:関西でスコアリングを見直し、採用率三〇%に絞る。QBRの指標を決裁者同席率に変更。
  • 二年目Q1:関東参入、十社応募から三社採用。共同ウェビナーを月二回に増枠。
  • 二年目Q2:北海道・東北に拡張、寒冷地特有の課題を反映した資料を追加。
  • 二年目Q3〜Q4:全地域でQBRを統一し、ダッシュボードを公開。更新基準に基づき二社入替え。
  • 三年目:二十八社体制で安定稼働、パートナー経由売上が全体の五二%を占める。

タイムラインを明文化しておくと、経営報告やリソース配分の判断がしやすくなります。


付録9.数字で見るチャネル効果(導入前後の比較)

  • 月間新規受注:導入前八件→導入後三二件(四倍)
  • 平均商談単価:導入前百二十万円→導入後百八十万円(一・五倍)
  • 決裁者同席率:導入前二五%→導入後六二%
  • 再商談率:導入前三五%→導入後五八%
  • 共同マーケ経由リードの受注率:通常リードの一・六倍

数字で効果を示せば、社内の理解と投資も得やすくなります。


付録10.社内ステークホルダーの巻き込み方

  • 経営陣:四半期ごとに「パートナーPL」を提示し、投資対効果を共有。
  • プロダクト:パートナー経由の要望を月次でまとめ、優先順位を擦り合わせ。
  • カスタマーサクセス:導入プロセスとサポート窓口を共有し、顧客体験を統一。
  • マーケティング:共同施策のカレンダーを公開し、コンテンツ制作を前倒しで依頼。
  • 法務・経理:契約テンプレとMDF運用ルールをすり合わせ、監査対応を準備。

チャネルは社内連携の結晶です。最初に関係者を巻き込むことで、後工程の摩擦を減らせます。


まとめ:選定→育成→ガバナンスの型が全国展開を支える

代理店網は「契約数」ではなく「再現性」が命。理想条件をスコアリングし、三ヶ月で走れるオンボーディングを設計し、数字と関係性で管理する。この三点セットがあれば、地域差や属人化を超えてスケールできます。私自身、失敗から立て直した経験を通じて、型の力を痛感しました。これからチャネルを立ち上げる方、再構築する方にとって、本記事が実務の羅針盤になれば幸いです。

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