営業ノウハウ・販路開拓

新規販路開拓を短期間で成功させる5つのステップ — 関西の現場で学んだ90日プラン

2025/11/25

新規販路開拓を短期間で成功させる5つのステップ — 関西の現場で学んだ90日プラン

大学病院営業を統括しつつ、一般BtoB向けの販路開拓も任されています。大阪・関西・近畿エリアで病院や法人を回る中で、時間のない中でも結果を出すためには「何を捨て、何を最優先にするか」が肝だと痛感しました。ここでは、支援会社・代行会社・コンサルをどう活用し、営業・事業開発として90日で成果を出すための5ステップをまとめます。医療・ヘルスケアだけでなく、一般BtoBでも使える実務手順です。

1. ステップ1:ターゲットを3つに絞る(7日)

  • セグメントを明確に:病院/医療/ヘルスケアなら「診療科」「意思決定プロセス」「働き方改革KPI」で切る。一般BtoBなら「業界」「決裁者の役職」「導入動機」で切る。
  • 地域を絞る:大阪・関西・近畿など移動時間を減らせる範囲に集中。移動1時間以内で組むだけで商談数が増える。
  • 解決する課題を1行で:「誰の時間をどれだけ減らすか」を一文にし、全員で共有。
  • 伴走/代行の役割決め:支援会社・代行会社・コンサルに頼る範囲を決め、SLA(応答時間、報告頻度、面談設定)を文書化。

よくある失敗

・ターゲットを広げすぎて資料が薄くなる。
・移動に時間を使いすぎて面談数が伸びない。
・「何を解くか」が曖昧なままアウトバウンドする。

対処

・3セグメント×1課題で固定し、90日変えない。
・移動時間をカレンダーで可視化し、1日2〜3件を上限にまとめる。
・課題の一文を全資料に入れ、ずれた瞬間に気付けるようにする。

2. ステップ2:シナリオと資料を一気に揃える(7〜21日)

  • シナリオ設計:導入プロセス(認知→課題深掘り→PoC→稟議→契約→オンボーディング)ごとに想定質問と回答を作る。
  • 資料束を最小限に:1)課題と効果、2)運用フロー、3)安全性/データフロー/責任分界、4)PoC計画、5)稟議セット(労務・TCO・回収期間・リスク)。
  • 営業プレイブック:トークスクリプト、FAQ、キーマンマップ、メールテンプレを1冊に。
  • レビュー:支援会社やコンサルに壁打ちし、医療・ヘルスケアなら看護部・情報部・経営企画の視点を必ず入れる。
  • 生成AI活用:初稿とFAQ案をAIで作り、現場で手直し。速度が段違い。

よくある失敗

・資料の後出しで審査サイクルを逃す(病院あるある)。
・トークが人ごとに違い、学びが貯まらない。
・PoC計画が曖昧で「まず1件だけ」で止まる。

対処

・初回訪問で必要資料をすべて渡せるようテンプレを用意。
・面談後10分で「良かった点/詰まり/次の打ち手」を1枚に記録し、毎週プレイブックを更新。
・PoC計画に目的・期間・評価指標・撤退条件・費用負担を必ず入れる。

3. ステップ3:アウトバウンドと内向き整備を並走(22〜45日)

  • アウトバウンド:代行会社と組み、リスト精査→架電/メール→面談設定を回す。週次でリード質とスクリプトを見直す。
  • 初回商談の質を上げる:伴走支援で同席し、課題深掘りとキーマン確認を確実に。面談ログは10分でまとめ、プレイブックに反映。
  • キーマンマップ更新:病院なら情報部、看護部、ME、経営企画の温度を記録。法人なら経営、現場責任者、IT/情報、購買の発言を整理。
  • 審査スケジュールを押さえる:倫理・情報・購買の会議日や役員会日程をカレンダー化。一般BtoBも稟議タイミングを必ず確認。
  • 移動最適化:大阪・関西・近畿内で1日の訪問を固め、移動時間を削る。

よくある失敗

・面談は取れるが、課題が深まらずPoCに進まない。
・審査日を逃し、3か月遅れる。
・学びが属人化。

対処

・初回で「誰の時間をどれだけ減らすか」と「審査日程」を必ず聞く。
・週次で面談ログと学びを共有し、トークや資料を毎週更新。
・代行とのSLAで「ログ提出」「面談メモ」を義務化。

4. ステップ4:PoC〜稟議を70日以内にまとめる(46〜70日)

  • PoC評価指標を3〜5個に絞る:時間外削減、在院日数、再入院率、転記ミス、問い合わせ件数、TCOなど。
  • データ・安全性先出し:医療ではデータフロー、ログ、モデル更新、責任分界を図で提示。一般BtoBでも情報セキュリティとバックアップ、代替フローを明示。
  • 稟議パッケージ化:労務インパクト、回収期間、代替案比較、リスクと対応策、教育計画、サポート体制。
  • 合意形成の場を連続で押さえる:合同デモ→PoC設計会→中間報告→稟議前レビューの日程を初回で固める。
  • 働き方改革・地域要件の反映:関西・近畿の病院再編や時間外削減KPIに紐づけ、「今年やる理由」を前面に。

よくある失敗

・評価指標が多すぎて測れない。
・責任分界が曖昧で情報部/看護部に止められる。
・稟議資料に「なぜ今」がない。

対処

・指標は3〜5個に絞る。
・責任分界をSLA化し、障害時のフローを明記。
・中期計画と地域の再編、働き方KPIを必ず入れる。

5. ステップ5:内製化と横展開を仕上げる(71〜90日)

  • 内製化トレーニング:Week1〜2観察、3〜6実践、7〜12移管のサイクルで自社メンバーを主担当に。
  • 横展開プラン:グループ病院・他診療科・他業界への拡張手順(契約・教育・データ移行・サポート)を1枚で提示。
  • KPIレビュー:リード→商談→PoC→稟議→受注のファネル、回収期間、TCO、時間外削減を確認。
  • 改善サイクル:週次で1つ詰まりを決め、テンプレ更新→翌週試す。
  • SLA更新:伴走/代行の役割を見直し、内製化比率を高める。

よくある失敗

・伴走・代行から移管できずに長期化。
・横展開の絵がなく、単発で終わる。
・KPIレビューをせず、勝ち筋が言語化されない。

対処

・90日で移管マイルストーンを設定し、達成度をチェック。
・横展開1枚資料を早期に作り、稟議に添付。
・毎週の学びをプレイブックに反映し、勝ち筋を可視化。

6. 事例(関西・近畿での3ケース)

病院DX(文書生成)

伴走でデータフローと監査ログ、根拠提示UIを設計。代行で情報部と看護部への面談を増やし、90日でPoC合意。回収期間11か月で稟議通過、系列病院へ横展開。

在庫・購買最適化

伴走でワークショップとPoC設計、代行で購買担当へのリーチ拡大。半年で在庫圧縮15%、廃棄20%減、3病院に横展開。

製造業向けSaaS(一般BtoB)

伴走でシナリオと資料を設計、代行でアウトバウンド強化。3か月で面談数3倍、受注率1.5倍、回収期間短縮。

7. 営業資料づくりのチェックリスト(再掲)

  1. 誰の時間をどれだけ減らすかを冒頭に。
  2. 課題→解決策→効果を1枚で。
  3. データフロー・ログ・責任分界を図解。
  4. PoC計画(目的・期間・評価指標・撤退条件)。
  5. 稟議セット(労務・TCO・回収期間・リスク)。
  6. 働き方改革や地域の中期計画との整合。
  7. 成果事例は「課題→打ち手→数字→横展開」。
  8. FAQで懸念を先出し。
  9. LPや支援サービスの導線を自然に配置。

8. 最後に

短期間での販路開拓は「捨てる」「固める」「回す」の3つに尽きます。ターゲットと課題を絞り、シナリオと資料を固め、アウトバウンドと合意形成を回し、90日で内製化と横展開の絵をまとめる。支援会社・代行会社・コンサルをどう組み合わせるかで速度は大きく変わります。今日も院内のカフェで5分だけ振り返ります。「誰の時間を減らせたか」「どの懸念を潰せたか」。答えが一つでもあれば、次の90日も前に進めます。
また病院へ。***

9. よくある質問(追加)

Q:短期間で成果を出すといっても、精度が落ちませんか?
A:精度は「テンプレ更新の頻度」で担保します。週次でログを反映し、トーク・資料を改訂し続ければ短期間でも精度が上がります。
Q:代行に任せるとブランドが毀損しませんか?
A:医療・ヘルスケアのマナーと情報管理を教育し、SLAで再委託禁止・反社チェック・データアクセス範囲を明記すればリスクを抑えられます。
Q:関西以外にも通用しますか?
A:基本の型は同じですが、地域の再編計画や働き方KPIを事前に調べてストーリーに織り込むことが大切です。

10. 追加ケーススタディ(2つ)

ケース4:法人向けSaaS(近畿エリア製造業)

ターゲットを「設備保全担当」「情報システム」「経営企画」に絞り、課題は「ダウンタイム短縮」と「TCO削減」に設定。伴走がシナリオと資料を7日で仕上げ、代行が面談を1か月で15件獲得。PoC評価指標を「停止時間」「復旧時間」「保守費」に絞り、60日で稟議通過。回収期間を12か月で提示し、系列2社に横展開。

ケース5:医療機器の新規導入(大阪の基幹病院)

情報部とME、看護部、経営企画を初回から巻き込み、評価指標は「申し送り時間」「転記ミス」「ダウンタイム」「時間外」を設定。データフローと責任分界を図で提示し、PoCを45日で実施。時間外削減を月20時間/病棟、回収期間11か月で稟議通過。グループ病院3院に展開。

11. 実務で役立つテンプレとルーティン

  • 面談ログテンプレ:課題・キーマン・懸念・次アクションを4行でまとめる。
  • 週次共有フォーマット:ファネル数値、詰まり、学び、テンプレ更新箇所、次週の仮説。
  • デモ機管理表:貸出・回収・清掃・保守をカレンダー化し、滞留を防ぐ。
  • ルーティン:初回後10分内ログ、週末の失注振り返り、月1の中期計画アップデート、LP導線の確認。

12. KPI設定の具体例(医療・一般BtoB)

  • 医療・ヘルスケア:時間外削減(週・月・年)、在院日数、再入院率、転記ミス、問い合わせ件数、TCO、回収期間。
  • 一般BtoB:リード→商談化率、商談→PoC率、PoC→受注率、回収期間、利用率、サポート問い合わせ件数。
  • 共通:内製化進捗(初稿作成時間、PoC設計の自走度)、横展開速度、契約更新率。

13. 伴走・代行・コンサルの選び方チェックリスト(抜粋)

  1. 医療/ヘルスケア/病院の実績があるか(参考顧客名まで)。
  2. 反社チェック、再委託禁止、データ管理の体制を確認したか。
  3. 技術資料(データフロー・ログ・責任分界・PoC計画)のテンプレを持っているか。
  4. トークスクリプトや営業プレイブックを提供できるか。
  5. 週次の学び共有とテンプレ更新を仕組みとして回せるか。
  6. 内製化ロードマップを90日単位で設計してくれるか。
  7. 働き方KPIや地域特性(大阪・関西・近畿)のストーリーを作れるか。
  8. 成果連動の設計が過度でなく、品質を担保できるか。
  9. 契約更新・解約条件が明確か。
  10. 「誰の時間をどれだけ減らせるか」を一緒に言語化できるか。

14. 稟議セットのサンプル構成

  • 目的と範囲:対象診療科/部署、解決する課題。
  • 評価指標:3〜5個を具体的に(時間外、TCO、インシデント、患者体験など)。
  • データ・安全性:データフロー、ログ、アクセス権、モデル更新、責任分界。
  • PoC計画:期間、データ範囲、費用負担、撤退条件、体制。
  • 効果試算:時間削減→人件費換算、回収期間、逸失利益回避、代替案比較。
  • リスクと対策:障害時の代替フロー、サポート体制、教育計画。
  • 横展開:グループ病院/他部署へのスケール手順と追加コスト。
  • 契約条件:SLA、成果連動、更新・解約条件。

15. クロージング前の最終チェック

  • キーマン全員が「何に効くか」を一文で言える状態か。
  • 評価指標が測れる準備(ログ設定、入力ルール)ができているか。
  • 費用と回収期間、働き方KPIとの整合が稟議に入っているか。
  • 反社・再委託禁止・データ範囲が契約に明記されているか。
  • 次の場(オンボーディング、横展開検討会)の日程を押さえたか。

16. 日々の振り返りメモ

  • 今日の面談で得た課題と懸念を2行で。
  • 次に試す仮説を1つだけ決める。
  • 「誰の時間を何分減らせるか」を毎回書き直す。
  • カフェで5分、次の訪問のゴールを口に出してみる。
  • 少しでも迷ったら、事務局や看護部、情報部に素直に聞く。

17. 内部リンクと動線の作り方

  • 課題記事→解決記事→LP:例えば「病院営業の難しさ」記事から、本稿のような「解決ステップ」記事に内部リンクを置き、最後にLP案内を配置すると自然に流れる。
  • 本文中リンク:「詳しくはこちら」を業務フローやSLAの解説箇所に挿入し、違和感なくLPへ誘導する。
  • サイドバーや固定バナー:関西・近畿での事例や、支援会社・代行会社との協働事例への導線を置くと回遊が増える。
  • CTAの文言:「誰の時間をどれだけ減らすか」をCTAでも繰り返し、課題と提案を結びつける。

追加リソース

短期で販路開拓を進める伴走・代行の進め方やSLA例、資料テンプレはLPにまとめています。詳細は詳しくはこちらをご覧ください。

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